「よくわしの顔を見たまえ。へんな仮装のお面をかぶっているが、わしだということが、わかるだろう。何しろ、こんな竹ぼらのような声を出す人間が、世間にそうたくさんあるものかね」
「ああなるほど、佐々さんだ。あっ、佐々さん、あなたはよくまあ、こんなところへ……」
 と、新田先生は、喜びのあまり、佐々の手に、すがりついた。
「どうしてあなたは、丸木に変装したりなんかして、こんなところへ忍びこんだのですか」
 と、新田先生は佐々に尋ねた。もちろん、大方そのわけは、察しがついてはいたが……。
「わしの任務かね」
 と、佐々刑事は、仮装のお面をぬいで上にあげ、
「わしの任務については、くわしく言うことは、許されていないさ。大江山捜査課長にでも聞いてもらうんだね。しかし新田先生。わしは重大使命を帯びて、こうして火星人に近づいているんだ。わしは今、命がけで仕事をやっているんだ」
 先生はうなずいた。なるほど、単身火星人の群に飛びこむなんて、命がけの仕事でなくて何であろうか。
「それで、その仕事と言うのは……」
「それはやっぱり、あまりしゃべれないけれど、とにかく先生、今夜これから、大変なことが起るよ」

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